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zoom RSS 世界を変える物語 まおゆうとcakes

<<   作成日時 : 2012/09/17 14:46   >>

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長崎は本日は台風の影響で暴風雨。
かなりの悪天候となっていますが、皆さんのお住まいの地域はどうでしょうか。

さて。少し前に書きましたが、いまさら「まおゆう」にはまっています。
あれから、一気に5巻まで購入して、今日、読み終わりました。

最近読む本は技術書とかエッセイとか、そういう系統の本ばっかりになっていたんで小説自体、久しぶりに読んだな、って感じでした。
で、1巻の書評をこのブログで書きましたが、正直、自分でも何にここまで惹かれているんだろうな、と思いながら読んでいたんですが、3巻のあとがきに書かれていた著者と、ほかの作家の対談を読んで思ったのが、これが「世界を変える物語」だというところに魅力を感じてるんだな、ってことです。
物語って通常、勇者などの主人公が魔王を倒してお姫様を救い出す。これが黄金パターンで、形態は違えどほとんどの物語はこれに当てはまるといっても過言ではないと思います。(たとえば、推理小説なんかだと、探偵がトリックを見破って犯罪者を捕まえ、被害者または遺族の無念を晴らす、といった具合)

まぁ、この中にも、終盤のほうにはやはりそういった要素がないわけではないんですが、序盤から中盤の物語が盛り上がる部分では、そうした、だれが正義、だれが悪、じゃなくて、ゆがんだ世界の構造があって、みんなでその構造そのものを変えようと挑戦する物語になっているんです。
そこが、自分が惹かれた最大の要因なのかな、と。

なんで自分がそこに惹かれたかというと、かつて自分があこがれたジャーナリストの仕事にも通じるかな、と思ったりもします。
本当の意味でジャーナリストの仕事って、世界を変える仕事だと思うんですよね。

私がすぐに思い浮かぶのは、売血追放のための「黄色い血」キャンペーンを主導した本田靖春さんでしょうか。
今では当たり前になった善意による献血ですが、かつては輸血のための血液を買い取っている時代があったそうです。そのため、社会的な底辺の労働者たちが、生活費(というか主に飲み代や遊興費なんでしょうけど)のために自分の血を売って暮らすという実態があったそうです。また、採血の現場では注射針が使いまわされるなど衛生管理すら徹底されておらず、輸血のための血液の質も悪くなるし、売血した労働者間で感染症が広がり、肝炎になるような人が相次いでいたとか。
その実態を社会に広く知らしめて追求すべく、当時読売新聞記者だった本田靖春さんは、自ら労働者のような恰好をして売血を繰り返し、それがどのような悪影響を及ぼしているかを記事にすることで、社会的に売血を追放し、善意の献血制度確立に尽力してます。

日本国内では今でこそ当たり前の献血制度の確立が、実は一人の人間がその問題を追及したことから始まっていたって、すごいことだと思うんです。大きなスクープをとって社会の不正を追及することもすごいとは思いますが、ジャーナリストの仕事の本質って、こういう風に世界を変えることなのかな、と。

そんなことをこのまおゆうの物語を読んで思い返してました。
個人的には、最後の大ボスみたいなのが出てくるあたりって別になくてもよかったんじゃないかな、なんて思ったりもしましたが、まぁ、物語として一定の区切りをつけて締めるためにはああいう形にならざるを得ない側面はあるでしょうから。

時を同じくして、つい先日、9月11日に日本国内でスタートしたサービスに、「cakes」というコンテンツ販売サービスがあります。
いろんな人やメディアから集まってきたコンテンツが、1週間150円の定額で読めるサービスなんですが、これ、個人的に大注目しています。

というのも、新聞社が売れなくなり、テレビ局の視聴率が低迷する昨今、「コンテンツの販売だけ」で成功しているところって、日本国内に限らず、世界中でほとんど皆無なんですよね。
よく言われるのが、今は過渡期で、コンテンツはリアルの高級化(つまり、生のライブや講演会など、実際にその場に行って参加する形で高い値段を払う)ものと、ネットを介して広く伝わる無料化されたコンテンツに二極化されていくってことです。
けど、これが本当にこのまま進んでいくと、今迄みたいなコンテンツを販売していた新聞社や出版社、テレビ局などがそこにかかわる余地がなくなってきます。まぁ、数の適正化、という意味では、新聞社もテレビ局も競争しないわりに数が多すぎて特権意識が強いところがあるんで、多少の減少はいいのでしょうけど、日本全国で新聞が2紙だけ、とか、民放はすべてキー局だけ(平日の昼間にすら、地方のローカル番組が存在しない)なんて状態になれば、日本国内のメディア事情ってますます東京一極集中のゆがんだものになるでしょう。

そんなことを考えていると、とにかく、コンテンツ販売を手掛ける事業者が生き残る手段って、低額の定額課金によるコンテンツの提供だと思うんですよね。
これ、ソフトバンク系の子会社の「ビューン」がすでにやっているモデルではあるんですが、こちらは、既存の雑誌や新聞、テレビ局からだけ、コンテンツをもらっていました。
これだと、個人の人が参入する余地がありませんでした。
一方で、cakesでは、提供しているコンテンツの、ほとんどが個人によるものです。
これって、有料でコンテンツを販売するメディアの、新しい形のような気がするんですよね。

最近は個人の人が発信するコンテンツの価値がどんどん高まっています。
たとえば、楽天のKoboなんかで1位をとったとして話題の「Gene Mappper」なんかを見ても、個人が発信するコンテンツです。
けど、どれだけ優良なコンテンツでも、それを個人が発信し広めていくことって限界があると思うんですよね。優良なコンテンツこそ、多くの人々とつながっていられるメディア組織が、積極的にそういうコンテンツを拾って、さらにいろんな人々に広めていく手助けをする。そこにこそ、今後のメディア組織が生き残っていくポイントがあるんじゃないかな、と私は思っています。

その意味で、cakesの事例が成功するかどうかってことにすごく注目していて、チャンスがあるようなら、なんか一緒にやっていくような機会をもらえないかな、なんて思ったりもしてたりします。

なんだかとりとめのない形になりましたが、cakesの話は、今後も注目してみたうえで、いずれもう少し詳しくまとめたいと思います。

ではでは。

=========================今日の気になる情報
じわじわと広がってきた夕刊休刊の動き/朝日新聞が名古屋本社の土曜夕刊を休刊
http://minihanroblog.seesaa.net/article/291993771.html


電子ペーパー技術だからこそ生まれたアート? 壊れたKindle本体写真を集めた写真集「56 Broken Kindle Screens」
http://hon.jp/news/1.0/0/3702/



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