[Tips] daVinciNano w でフィラメントを最後まで使い切る!

だいぶコロナ禍が落ち着いてきた感がありますが、第2波が間違いなく来るといわれていますので、落ち着く状態まではもう少しかかりそうですよね。
私はもともと、リモートワーク環境だったことから、日常の中で大きく変わったことといえば、朝の日課の散歩ができなくなったことと、買い物の回数が減ったかな、というくらいではありますが、気兼ねなく日常を過ごせる日が早く来てほしいものです。

そんな中、まずはちょっとうれしい出来事がありましたので個人的な近況報告を。
電話によるコミュニケーションをサポートするTwilioというインターネットサービスがあるのですが、こちらが今、コロナ禍に負けずに開発業界を盛り上げようと、オンラインコンテストを実施しています。
そして、昨年末ごろに公開しました私のアプリ、AStoFがこのサービスを利用してFAX送信を行っていたことから、このコンテストに応募してみたのですが、なんと、見事月間賞を受賞させていただけました!
ちょっと長いですが受賞発表の動画です。


個人的な開発でこうした表彰をいただくのは初めて(7年ほど前に別のコンテストに応募したものは、最終選考には残ったものの入賞はできませんでした)だったので素直にうれしかったです。
賞品もすでに手元に届いており、既定のタンブラーのほか、いろんなノベルティグッズをいただきました。
改めてありがとうございました!

AStoFはスマホからFAXを送ることができるアプリです。
急な用事でどうしてもFAXで連絡を取らなければいけない!というとき、月額料金など無しでFAXを送れるサービスですので、気になる方はぜひダウンロードしてみてください。
送信にはポイントの購入が必要ですが、ダウンロードは無料です。

さて、そんな中、本日は久しぶりに3Dプリンターに関する話題。

3Dプリンターお持ちの方はご存知とは思いますが、私が購入した XYZ Printing daVinciNano w というプリンターのシリーズは、フィラメントがメーカー純正のものしか利用できません。
フィラメントの中心部にNFCチップが組み込まれていて、フィラメントの色や残量といった情報が書き込まれていて、これが読み込めないフィラメントは、認識エラーとなり、プリンターが動作しない仕様になっています。

が、このフィラメントですが、チップに記録されている残量はどれも初期状態が200mとなっています。
こうした商品によくあることですが、既定の容量(600g)の記載を少し超えて封入されているようで、3Dプリンターの場合は途中で詰まったりフィラメントが折れたりした場合にどうしても無駄に廃棄する部分が出てしまうことから、この差分が特に多いようです。

なのですが、ここで問題となるのがチップに記録された残容量。
チップ上、200mと記録されている残容量ですが、使っていくとリアルタイムで減っていきます。
そしてこの残容量が0mを切った時点で、(メンテナンスなどを動かすことはできるのですが)出力ができなくなります。
つまり、フィラメントのロールにいくら残量が残っていても、それ以上は使えなくなってしまいます。

これが4~5メートルといった程度であれば諦めてそのまま廃棄、となるのですが、ぱっと見、明らかに20mはありそうだぞ、という容量が残っていると、「もったいない」と思ってしまってなかなか廃棄ができませんでした。

NFCチップをごにょごにょして使い切る方法がないか、と調べたこともあったのですが、同メーカーの旧式タイプはハックされている方法が見つかったものの、暗号化した現行タイプは方法が見つからず、どうやら解析した人はいるようなのですが、該当者に支払いをすると、チップの解析をした暗号コードを返送してもらえる、という怪しい情報だったのでこれも諦めました。
とは言いつつ、捨てることもできないままずっと物置にしまってる、という状態になっていたのですが、これを何とかする方法を思いついたのでご紹介したいと思います。

といっても、この方法、単体では何ともなりません。
1本のフィラメントを使い切り、次のフィラメントを使い切る寸前まで来たとき、つまり、使い切る寸前のフィラメントが2本以上あってはじめて利用できる方法ですので、その点はご承知ください。

では、さっそくその方法をご紹介。
する前に、先に準備しておく道具が必要でした。
あらかじめ以下の道具を準備しておいてください。

  • 残量切れ間近になったフィラメント1本
  • 残量が0になったフィラメント1本
  • プラスドライバー(フィラメント中心にある、白い芯部分のねじを外せるもの)
  • ニッパー(フィラメントを切断するもの)

    作業途中で、少し時間制限がある工程がありますので、あらかじめ4つすべてを用意しておいた方がよいかと思います。

    まず、私の場合、残量が0になったフィラメントがこんな感じでした。
    IMG_20200513_205625759.jpg
    残量が結構あるように見えると思うのですが、この状態で、すでにチップの残量が0表示になっているため、これ以上使えない状態になっています。

    そして、もう一本、残量切れ間近の青いフィラメントがこんな状態になってきました。
    IMG_20200513_205616363.jpg
    作業開始前はもう少し残っていたのですが、その時点の写真を撮り忘れてしまったのでこの写真で。
    この作業を開始する前の時点で、チップの残量表示は13mとなっていて、すこし大きめの造形物を出力するとなくなるところでした。

    で、作業を始めますが、ここで1つ目のポイント。
    まずはこの13mで収まらないサイズの造形物の出力を行います。
    この時、XYZprintが、フィラメントの残量が足りないという警告を表示しますが、無視して「OK」を押して先に進めてください。
    最初にご説明した通り、フィラメントは若干残量に余裕をもって製造されていることから、フィラメントの残量が0になるタイミングの時だけは、残量をオーバーした造形物を出力しても、そのまま造形を続けることが可能です。
    私の場合は、13mの残量表示に対して見た目の残量は30m程度に見えました。
    この状態で、もともと余ってしまっていたフィラメントを使い切りたいため、42mを必要とする造形物の出力を実行しました。

    通常通り出力をしている間に、すでに残量が0になっているフィラメントの、中央の白い芯部分のねじを外し、フィラメントのロールと芯を取り外しておきます。
    IMG_20200513_205635373.jpg
    写真の通り、この芯の白い部分にNFCチップが入っていて、これがあるために、プリントができない状態です。
    残量のあるフィラメントがかなりギリギリという状態の様でしたら、印刷を始める前に外しておいてもよいです。

    ここまで準備をしたら、2つ上の写真のように、最初のフィラメント残量が本当にぎりぎりになるまで、出力が進むのを待ちます。

    そして「これ以上はもういいかな」というところまで出力(本当にぎりぎりまでやってしまうと、おそらくフィラメントが引き出せず詰まったような状態になってしまうので、写真のように、数周分くらいは残っているのが適切かと思います)したところで、フィラメントの取り組み口に回り、少し余裕を残した状態で、今設置してあるフィラメントを切断してしまいます。
    IMG_20200513_211019035.jpg

    そして、ここからが時間との勝負!
    フィラメントを切断したら、フィラメントを取り外さないまま、今設置してあるフィラメントの芯を分解し、黒いロール部分のみ取り外します。
    注意点としては作業中、白い芯の部分はチップとともに本体につけたままにしておいてください。
    もともとチップはフィラメントを取り付ける支柱の部分に乗せる形になるため、チップを動かさずに、芯のねじを外して黒いロールを取り外すことができます。
    もしかしたら白い芯とチップごと外してもいけるのかもしれませんが、チップの中にはフィラメントの種類まで記録されていて、チップを外した状態ではプリンタのメンテナンスすらできないことから、チップを外した場合、エラーになって動かなくなる可能性が高いと考え、私は試していません。
    もしどなたか試した方がいましたら結果を教えていただけますと嬉しいです。

    そうしてすでに残量が0表示になり、使えなくなっていたフィラメントの黒いロール部分を本体にセットされた芯に戻し、ねじを止めることでこんな状態になります。
    IMG_20200513_211453469.jpg
    切断された青いフィラメントが少し残っている状態で、本体にはクリアのフィラメントがセットされた状態になっているのがわかるかと思います。

    この作業を、もともとセットしていて切断したフィラメントがすべて本体内に引き込まれるまでの間に行う必要があります。
    もし、作業を手早く実施する自信がない場合は、XYZprintのソフトウェア上で一時停止ボタンを押してから、印刷を止めた状態で入れ替え作業を行ってください。
    IMG_20200513_211344075.jpg
    ただし、これにも大きな注意点があり、画面に表示されている通り、一時停止状態で3分経過すると、印刷が自動的にキャンセルされてしまいます。
    その場合、手元にはもともと残量が0だったフィラメントと、出力している途中で残量0となったフィラメントが残り、出力中の造形物も中途半端、という悲惨な状況が生まれてしまいます。
    もし3分間で停止状態が足りない場合は、一度再生を押して作業を再開したのち、再度停止する、というのを繰り返して、何とかフィラメントの入れ替えを行ってください。

    フィラメントの入れ替えが終わったら、印刷を継続します。
    当然、もともとセットされていた方のフィラメントの切れ端がどんどん本体に引き込まれてきます。
    その引き込まれるフィラメントに合わせて、新しくセットしたフィラメントを、差込口に添えて、少し押し込み気味(本当に力強く押し込む必要はありません)に押さえておきます。
    IMG_20200513_211653725.jpg
    IMG_20200513_211844520.jpg
    ほかのプリンターは詳しく知りませんが、少なくともdaVinciNanoでは、フィラメントの引き込みをする駆動系が、フィラメントロールすぐ上の差込口部分に装備されています。
    このため、フィラメントの切れ端が差込口を超えて本体側に引き込まれると、通常、その後は出力が行われなくなり、プリンターがフィラメントのつまりを検知してエラーとなってしまいます。
    しかし、そこに新しいフィラメントをセットしてやることで、前のフィラメントを後ろのフィラメントが押し込むような形になり、引き続きフィラメントを出力することができるようになることから、印刷を継続することが可能となります。
    しばらく差込口で新しいフィラメントを抑えていると、新しいフィラメントがある程度中に入っていき、手を添える必要がなくなります。
    3Dプリンタの場合、時折フィラメントを引き戻す動きがあるため、少し中に入ったからといってすぐに手を放してしまうと新しいフィラメントが引き出されて外れてしまう可能性があるのですが、下の写真のように引き込みホースの内部に新しいフィラメントが見えてくるくらい(5分もかからないと思います)まで押さえておけば十分です。
    IMG_20200513_212307866.jpg

    あとは、出力中の造形物を最後まで印刷するだけです。
    そうして完成したのがこちら。
    IMG_20200514_070853371.jpg
    daVinciNanoは本来1色フィラメントにしか対応していないのですが、途中から別のフィラメントを継ぎ足したことで、色がきれいに分かれています。

    この作業実施した際の注意点としては、2つのフィラメントが引き込みホースの内部にある間は、プリンタの引き戻しの動きがうまく動きません。(後ろのフィラメントを引き戻しても、前のフィラメントはくっついておらず戻らないため)このため、2色のフィラメントが継ぎ足される少し下の部分は、若干、印刷品質が下がります。
    IMG_20200514_072520520.jpg
    このため、精密な造形が必要なフィギュアの出力などではあまり向かない手法といえるかと思います。(まぁ、そのような印刷する場合は、フィラメントの残量がもったいない、とかあまり考えないとは思いますが…)

    ということで、微妙に余ってしまったフィラメントを使い切るTipsいかがでしたでしょうか。
    最近はマイクロプラスチックの廃棄物なんかが問題になったりもしていますので、プラスチック系のごみはできるだけ少なくできたほうが環境的にはよいのかな、という思いもあり、余すことなく使い切れたらいいな~と思って考えてみた手法でした。

    最後に書いた通り、造形精度が必要とされる場合はあまり向いていませんので、新しい造形物を造るときのお試しだったり、それほど精度を必要としないような造形物を造ったりするときに試してみていただければいいのかなと思います。

    あ、あと、複数色を使いった造形物を作りたいからと、まだまだ残量が残っているフィラメントでこの手法をやることはお勧めしません。
    というのも、例えば残量が十分残っている赤と青のフィラメントがあり、初めに赤で印刷して、途中から青に切り替えたとします。
    この時、本体にセットされているのはずっと赤い色の方のチップで、チップの上では赤い色のフィラメントでずっと印刷したことになるのですが、実際には赤い色はそこまで減っておらず、また青い色のチップは残量が全く減っていないにもかかわらず青い色のフィラメントは減っている、という状態になります。
    こうなると、今度は先々、青い色のチップ上ではまだ残量があるのにフィラメントの実態が足りない、とか赤い色のフィラメントがもっとたくさん余ってしまう、という事態が起きてしまいます。
    ですので、あくまでチップ上の残量が0となり、すでに使えない状態のフィラメントを最後まで使い切るときの手法としてお考え下さい。

    ではでは~~~。


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