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zoom RSS [書評] マルドゥック・スクランブル[完全版] (冲方丁)

<<   作成日時 : 2013/11/13 23:04   >>

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約2週間ぶりのブログ更新。
ものすごく久しぶりに小説を読んだのでその書評を。

作品はマルドゥック・スクランブル[完全版]。



マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)

元々は2003年に出版された本を、著者自身が完全版として大幅に加筆修正して2010年に再出版された本で、文庫本3分冊で1篇の物語になる長編小説。
実はアニメ化もされていて、1部の[圧縮]、2部の[燃焼]をアニメで見ていたため気になっていながら、ずっと読まずにいたのだけれど、連れ合いが図書館で借りてきてくれたので、3冊一気に読んだ。

SFの、いわゆるサイバーパンクもので、事件に巻き込まれて殺されかけた少女が、自分を助けてくれた人たちの助力を得ながら、その復讐を遂げ、自らが生きる価値や目的を見つけていくというもの。

先述の通り、アニメから入っていたため、物語は一通り知っていたが、アニメを見た段階では、まだ何かが琴線に触れる、といった程度で、そこまですごくのめりこむような作品だと思っていなかった。

それが、この完全版を読み始めて見事にやられた感じ。
アニメは、原作のストーリーというか、情景描写を見事なまでに忠実になぞって作られている。けれども、原作を読むと、アニメでは描ききれない登場人物たちの微細な心理描写が見事に書き込まれていて、あの短いワンシーンにあんな意味が隠されていたのか、あのわずかな瞬間でキャラクターたちがこんなにも深い葛藤を抱いていたのかと、驚かされた。

中でも見事なのが、あとがきでSF評論家の鏡明が触れていたが、カジノのシーン。
ブラックジャックを巡る手に汗握る白熱した心理戦は、荒事は描かれていないにも関わらず、まるで黒沢明の時代劇の殺陣を見ているかのような白熱した戦いが目の前で繰り広げられているかのような緊迫感がそこにある。

作者が20代前半のころの作品、という前知識はあったので、その年でこれだけの文章表現が出来たいてたとしたらすごいな、と思ったけれど、あとがきを見ると、どうやらこの部分の描写はやはり大幅に書き直された部分のようで、今(といってもすでに3年前ですが)の作者の筆力を存分に感じられる秀逸なシーンだと思う。

その後、色々な賞を受賞したり、アニメや漫画の原作にも数多く登場するメディアミックス作家として名前が知られるようになり、堂々と著名作家の仲間入りを果たしている方なので、SF好きに限らず、本好きの方にとってはいまさら紹介されるまでもない作品だろうけれども、まだ読んでいない方がいたら、ぜひお勧めしたい一作。
ただし、かなりハードなアクションと、エロスの描写(死体を切り刻んで自分の身体に移植して愛好する変質者の一群や、人の身体を焼いた灰から作ったブルーダイヤを肌身離さず身に付けている賭博師などなど)も出てくる。
私自身、冲方さんの作品はほかにも、「天地明察」と「光圀伝」を漫画で読んでいるだけだったので、これを機に他の作品も読んでみようかと思っているが、上のような要素が苦手な方は、こちらの方、特に「天地明察」の方が楽しめそうな気がする。
(ちなみに、天地明察は上巻だけだが、Kindle版なら270円で買えるみたい。買ってしまおうか…)

天地明察 下 (角川文庫)

そして、このブログを書くために検索をして、初めて、アニメの3部[排気]がもう出ているのを知った。
さっそく今週末にでも探してみよう。

では。

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